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神経内科・内科・小児科 久米クリニック
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認知症

その特徴は

認知症の特徴は?

認知症は、日常生活に支障をきたすほど、知的な能力や社会的な能力が衰えてきた状態です。これは脳の病気であり単なる老化現象ではありませんが、高齢になるほど多く発病し、80歳以上の約20%に何らかの認知症が認められます。

認知症の診断はいくつかの症状がそろうと付けられるもので、決して特定の病気を指すものではありません。例えば、内科的な疾患により認知症が現れることがあります。この場合は治療で回復することがあります。一方、アルツハイマー病による認知症では治療で進行を止めることはできません。

認知症を早期に発見することは必ずしも容易ではありません。それは初期の症状が個人個人で異なるからで、その人のライフスタイル、生活環境、人生経験、学歴などにより大きく左右されます。認知症に共通する特徴を挙げるなら以下のようになります。

  • ひどい物忘れがある
  • すぐに混乱をきたす
  • 抽象的な考えをまとめられない
  • 集中力がない
  • 仕事が複雑になると実行できない
  • 顔つきや人格が変わった
  • 異常な行動がある

これらの特徴が現れた場合には認知症の可能性があります。

認知症と間違えやすい病気

うつ病

これは悲しみや失望が長く続き、喜びや楽しみが無い精神状態です。きちんと考え事をしたり、集中したり、思い出したりするのが困難になるので、認知症と間違えられます。退職して生活環境が変わったり、伴侶を亡くしたりした後に発病するケースが多く見られます。

せん妄

意識が混濁して精神が混乱し意味不明な事を話す状態です。認知症と比べると、せん妄は突然発病するのが特徴です。せん妄は高齢者で肺や心臓疾患を持つ場合や、長期の感染症、低栄養状態、内分泌疾患、薬の副作用などで起こります。

甲状腺機能低下症

慢性甲状腺炎などにより甲状腺ホルモンの分泌が低下した状態が続くと、徐々に物忘れがひどくなったり、認知機能が低下したり、人格が変化したりしてきます。この病気は血液検査で調べることができ、甲状腺ホルモンの補充療法により回復します。

うつ病とせん妄は、認知症の患者さんに合併して症状がいっそうひどくなることがあります。その場合でも、うつ病とせん妄の部分については治療により回復することを忘れないで下さい。

認知症の原因

認知症をきたす代表的な病気には以下のものがあります。

アルツハイマー病

認知症の原因として最もよくみられ、60歳以上の高年齢者に発病します。アルツハイマー病は脳の神経細胞がゆっくりと減っていく病気で、徐々に知的な能力、記憶力、学習や会話の能力が衰え、やがて人格が変化し判断ができなくなっていきます。

血管性認知症

多発性脳梗塞により認知症が現れるものです。知的な能力は、脳梗塞の発作が繰り返される度に進行するのが特徴です。通常、手足の麻痺、言語障害、視野障害など脳梗塞による身体の障害がみられます。

レビー小体型認知症

認知症に加えて、手足の振るえ、こわばり、動作が遅いなどのパーキンソン症状がみられる病気です。しばしば幻覚が見えることを訴えます。脳の神経細胞にレビー小体と呼ばれる異常なタンパク質が沈着することからこの名前が付いています。

前頭側頭型認知症

異常な行動や人格の変化が目立ちます。記憶力の低下も現れてきます。ピック病と診断される認知症はこの中に含まれます。大脳の前頭葉と側頭葉に限局した脳萎縮がみられることからこの名前があります。

アルツハイマー病と診断されたら

もし、御家族がアルツハイマー病と診断されたならば、次の3つのことを忘れないでください。

1.情報源を見つける

地域で必要な情報が得られる場所を知っておきましょう。専門の医師、看護師、ケアマネージャー、ケースワーカー、患者家族会、老人ホームや老健施設などを確認しておきましょう。

2.支援を求める

自分達だけで全ての問題を解決しようとして、かえって対策が遅れたり、患者さんや介護者が心身ともに憔悴して新たな病気になってしまうケースがあります。他の家族や友達に手伝ってもらったり、専門家からアドバイスをもらったり、周囲へ支援を求めましょう。他人の介護をする人は、まず自分が健康でなければなりません。

3.前向きに生きる

アルツハイマー病はあなたと家族の生活を大きく変えてしまいます。しかし、それでも良いことや悪いこと、楽しいことやおかしなことなど人生の様々な瞬間が続いてゆきます。これまでやっていたことはしばらく置いておいて、別のことを考えてみましょう。例えば、毎朝一杯のコーヒーをじっくりと楽しんだり、好きな映画を観たりして、ゆとりのある人生を送ってください。

アルツハイマー病の治療

現在世界中でアルツハイマー病の治療法が研究されていますが、今のところ病気の進行を止める治療法は見つかっていません。したがって、現在の治療は認知症の症状を緩和し異常な行動を抑えて患者さんの生活の質を改善することに焦点を当てています。具体的には、記憶力の低下を改善させること、不安や焦燥感を鎮めること、昼間は起きて過ごし夜間は良く眠れるようにすることなどを行います。また、アルツハイマー病の治療は薬物とケアを組み合わせて行いますが、軽症の場合と中等症から重症の場合とでは治療内容が異なります。

認知障害に対する治療薬

アリセプト

アルツハイマー病ではアセチルコリンという神経伝達物質が低下しており、それが認知障害を引き起こしています。アリセプトは脳内のアセチルコリン分解酵素を阻害することによりアセチルコリンの量を増やす薬です。軽度から高度までのアルツハイマー病患者さんで認知障害の改善や認知機能の維持がみられます。

イクセロンパッチ・リバスパッチ

アリセプトと同じように、アセチルコリン分解酵素を阻害してアセチルコリンの量を増やす薬です。張り薬にすることで、嘔気・嘔吐などの消化器系の副作用が少なくなり、24時間一定の薬理作用が期待される薬です。

レミニール

アセチルコリン分解酵素を阻害してアセチルコリンの量を増やし、かつ、アセチルコリン受容体に対する増強作用を持つ薬です。

メマリー

記憶や学習に関与する脳のグルタミン酸受容体のサブタイプであるNMDA受容体に結合することで、過剰な活性化を抑制し、神経細胞保護作用、記憶学習機能障害抑制作用を示す薬です。

 

問題となる周辺症状

アルツハイマー病が進むと、感情が激しくなったり異常な行動をとったりすることがよくみられます。これは多くは記憶力、理解力、問題を解決する能力が低下したために二次的に引き起こされた症状なのです。記憶や理解力など認知機能の障害をアルツハイマー病の中核症状というのに対して、異常な行為や行動のことを周辺症状と呼んでいます。しばしばみられる周辺症状には以下のものがあります。

  • 攻撃的・興奮
  • 拒否・抵抗する
  • 不安・焦燥感
  • 疑り深い
  • 妄想・被害妄想
  • 不眠症
  • 幻覚
  • 徘徊

アルツハイマー病では次第に言語能力が低下し、自分の考えを正確に表現することが困難になってきます。そして、これらの周辺症状は患者さんが自分の要求や気持ちを伝える手段になっているのかもしれません。すなわち、患者さんにとって不満やストレス、不快感を表現する唯一の方法が周辺症状なのかもしれないのです。

周辺症状が続くと、御家族が患者さんを非難したり叱ったりすることがよくみられますが、これはあまり前向きな対応ではありません。これらの症状は患者さんがわざと行っているものではなく、あくまで病気によるものなのです。また、アルツハイマー病を患った患者さんが御家族の期待する人物像であり続けることは極めて困難なのです。

アルツハイマー病の周辺症状の発現は、認知障害のみが原因ではなく、しばしば他の要因が関連しています。例えば、痛み、空腹、疲労、薬の副作用、脱水、便秘、感冒などの身体的な苦痛を伝えることができないために周辺症状が発現することがあります。難聴や視力障害があるとよけいにコミュニケーションがとれなくなり、幻覚や妄想が現れやすくなります。また、心理的な不安があると攻撃的になったり、叫んだり、徘徊したりします。うつ状態になると涙を流したり、思考力が悪化したり、引きこもったりします。周辺症状が発現した場合には、これらの要因を特定して適切に対処することで症状が改善してゆきます。

周辺症状に対する治療薬

周辺症状に対する治療薬

抗精神病薬

攻撃性、妄想、幻覚を抑える薬です。副作用として筋肉のこわばり、振戦、動作緩慢(動作がゆっくりとなること)がみられることがあります。

抗不安薬

不安・緊張・焦燥感を緩和する薬です。副作用として眠気、めまい、もの忘れの悪化がみられることがあります。

抗うつ薬

アルツハイマー病の患者さんがうつ病の合併と診断された時には抗うつ薬を使います。

アルツハイマー病の進行を止める方法は未だ発見されていませんが、認知障害を改善する薬、周辺症状に対する薬、そして薬物以外のケアを組み合わせることにより、患者さんと御家族の生活の質を大きく改善することができるようになってきました。アルツハイマー病の治療にあたっては、個々のケースに応じてこれらの方法を組み合わせて細かく対応してゆく必要があります。