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頭痛

頭痛
headache

頭痛のタイプ

頭痛はからだに起きる異常の中で最も頻度の高いものです。

頭痛が重大な病気の前ぶれであったり、重大な病気の初期症状そのものであったりする場合もありますが、そのようなケースは実際にはまれです。

頭痛の約90%では、検査をしても頭やからだの中に炎症や腫瘍などの明らかな病気はみつかりません。

これらの頭痛は“一次性頭痛”と呼ばれ、以下に示す3つのタイプがあります。ひとりで2つのタイプの頭痛を併せ持つこともあります。

また、“頭が痛い”と訴えて受診される中には顔やうなじの神経痛による症状の場合も少なくありません。

緊張型頭痛

最も多い頭痛です。午後から夕方にかけて徐々に頭痛が現れ、前頭部や頭全体に締め付けるような、圧迫するような鈍い痛みが持続します。しばしば首や肩のこりを伴います。

片頭痛

頭の片側が脈打つように痛み始め、数時間から長いときには3日間ほど続きます。

頭痛はかなり強く、仕事や生活に支障を来たしてきます。女性に多い頭痛で、男性の3倍の頻度でみられます。通常は10代の頃から始まり、40歳を超えてからの発病は多くありません。

頭痛の前に、数分から数十分間キラキラした光が見えたり、顔やからだの一部がチクチクしたりする前兆が現れることがあります。頭痛の発作中には吐き気がしたり、光や音に敏感になったりします。

群発頭痛

片方の眼球の奥、眼球の周囲にかなり強い痛みが現れ1時間以上持続するものです。

頭痛は通常数週間から数ヶ月間続き、毎日同じ時刻に始まります。

頭痛のある側では、涙が出たり眼が充血したり鼻水がでたりします。

群発頭痛の患者さんは強い痛みで横になることもできず、落ち着き無く部屋を歩き回ることになります。群発頭痛は男性が女性の3-4倍多く、特にヘビースモーカーや大酒のみに多くみられます。

その他の頭痛

三叉神経痛は片方の頬や下顎や時に眼の上に数秒から数分間激痛が走るもので、洗顔や歯磨き、会話、喫煙などのわずかな刺激で痛みが誘発されるものです。

後頭神経痛は片側のうなじから後頭部にかけて突き刺すような痛みが走るものです。

緊張型頭痛がたまに起きる程度のケースでは、首・肩・頭のマッサージ、湿布、入浴、ストレッチなどで頭とからだをリラックスさせることをまず試みて下さい。

それでも頭痛が続くときには市販の頭痛薬を少量使いましょう。適度な運動が効果的なこともあります。

片頭痛の場合は、頭痛が来るなと感じたら直ちに薬を使用することが頭痛を早く抑えるコツです。

市販の頭痛薬なら推奨される用量をきちんと使ってください。可能であれば、すぐにぐっすり昼寝をとってみて下さい。頭痛が止まることもあります。また、コーヒーなどカフェインを含む食品をとると頭痛がおさまる場合もあります。

頭痛には、多くの場合個人個人に特有の頭痛を起こさせる誘引が認められます。

誘引を避けられれば頭痛が起きる頻度はぐっと減ります。誘引を特定して、それらを避けて生活するには、最終的には個人のライフスタイルを変えることが必要になってきます。以下に主な頭痛の誘引を挙げてみます。

主な頭痛の誘引

主な頭痛の誘引

アルコール(特に赤ワイン)・喫煙・ストレスや疲労・過度の運動・性行為・過度の空腹・チラミン含有物(バナナ、チーズなど)・チョコレート・カフェイン飲料(コーヒー、コーラなど)・亜硝酸化合物(ソーセージ、ベーコンなどに含まれる防腐剤)・グルタミン酸ナトリウム(人工調味料など)・天候の変化・月経・強い光や騒音・香水の匂いまたは悪臭・換気の悪い部屋や人混み。

コーヒーを日中に何杯も飲んでいると夜間にカフェインが切れてきて頭痛が誘発されることがあります。

一方、カフェイン飲料で逆に頭痛が抑えられるケースがあります。頭痛の中には頭部の血管が拡張して痛むものがあり、カフェインの血管収縮作用が頭痛抑制効果を発揮すると考えられます。

頭痛が繰り返し起きるなら、頭痛日記をつけてみましょう

日記に

  • 頭痛の強さはどの程度なのか?
  • 何時頃始まったのか、そして、どれくらい長く続いたのか?
  • 頭痛の前兆はあったか?
  • 痛みの部位はどこか?
  • 頭痛の誘引となる食物、活動、天候、環境の変化などはあったか?
  • を書き留めておいて、自分の頭痛と関連する誘引を見つけるのです。

誘引が特定できたら、できるだけそれを避けるようにして、あとは十分な睡眠と適度な運動を取り入れてバランスの良い生活を送りましょう。

頭痛薬の使い方

市販の頭痛薬は軽症の頭痛一般に効果的です。

市販の頭痛薬で治まらない場合には、頭痛のタイプや頻度に応じて鎮痛薬、片頭痛の特効薬、筋弛緩薬、抗てんかん薬、抗うつ薬などを医師の指示で使い分けることになります。

頭痛薬の用法は基本的に頭痛時の頓用であり、漫然と服薬を続けるものではありません。

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